秋冬素材・エゾ鹿革編

こんにちは、どら猫帽子店の村上です。
最近はエゾシカの帽子がホットなので、帽子のオススメなどしてみましたが、
今回はエゾシカの皮革について。

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さて、エゾシカの皮革の特徴は、といいますと、
これは鹿革の特徴に準じます。
まぁ、エゾシカと言えども要するに鹿です。
大型であることや近年個体数増加傾向にあり環境的な問題に発展しているのが
現在のエゾシカの固有の特徴でしょうか。

つまるところ、エゾシカの革は鹿革のいいところを一通り持っているわけです。

そのいいところというのが「繊維がとても緻密で細かい」ことです。
どういうことか、と言いますと、顕微鏡で拡大すると牛革などに比べ、
極めて細い繊維が大量に折り重なって皮革が形成されています。
これは天然皮革の中で最も細い繊維を持つと言われるほど。

それの何がいいのかと言えば、とにかくキメ細かいんです。自動車の洗車やメガネ拭きに使われる程です。
しっとりした吸い付くような肌触りは他に中々見当たらないですね。
更に、細い繊維の重なり合いのため、繊維同士の隙間が通気性や吸湿性を見せます。
繊維の隙間に空気を含みますから、保温性もバッチリです。
帽子関係ないですけど鹿革の手袋はかなりイイらしいですよ。
この上更に、柔らかくしなやかで丈夫です。いい具合に伸びるのでフィット感もバッチリです。
他の革に比べても長持ちしやすいらしいですよ。特殊な例ですが柔らかさを保った千年前の鹿革なんかもあるそうです。
帽子の好条件がこの上なく揃ってます。

比較的水にも強いらしいですし、油鞣しのセーム革は水洗いもできるそうですが、
うちの帽子は水ぬれの想定で作っていませんし、色落ちの可能性もあるので、雨にはご注意を。

なんだかここまで書くとすごすぎて逆に怪しくなってきますが、本当です。
皮革の中でもかなり優れた性質が大量に備わってます。
ただし、まったく弱点がないわけではありません。

まず、供給量。
野生の鹿を狩猟するで、安定して供給されないのが鹿革です。
近年やっとうちでは入荷が安定してきた所ですが、一般的な革とはまた違った感覚です。
道では増えすぎたエゾシカの利用が様々模索され、大分進んでは来ましたがまだまだ模索中の分野でもあります。

次に、キズですね。
野生動物なので、傷痕がある革が出てくる場合もあります。
コンディションも違いますし、前年に比べ届いた皮革が柔らかかったり硬かったりなどもあります。
キズが見られる場合はうちは商品のページにしっかり掲載されてますのでご確認を。
でも味としてみれば、そういった皮革もかなり良いものです。
活用次第でシンプルなアイテムに変化を生み出し、完全に一色のカラーよりも深みが出せたり。

最後に、銀面の問題です。
銀面、要するに鹿革の表側ですが、こちらが剥がれやすいのが使用する上で一番の弱点です。
こればっかりはもうほんとうに取扱いに注意するしかないですね。
帽子はまだ擦れにくいものですが、硬いものに擦れそうな場合は要注意です。

以上、駆け足でしたが鹿革のお話でした。

お付き合いありがとうございました。