ヌメ革のウエスタンハット
「美しい型でかぶりやすい、オリジナルのウエスタンハットを作りたい。」 それは地元の職人さんとの共同作業、金型作りからのスタートでした。
ウエスタンハットの命とも言えるブリム(つば)のカーブ部分は何度も微調整を繰り返し、クラウンは額が平らで奥行きがない日本人の頭に合わせようとこだわった金型です。。
製品化の第一号は早くから「ヌメ革」と決めていましたが、想像通りのデリケートな革で、ミシンのアタッチメントや型入れの温度など数え切れないほど試作を重ね、ようやく形になりました。
時間の経過とともに本来持つ色へと変化するヌメ革は、キズが付けば目立ちますがそれもまた味わいとなっていきます。季節ごとの空気や光、思い出を記憶して、気付けば身体の一部のように馴染んでいることでしょう。



普段私たちが使用している皮革製品は、原皮を腐り難く・柔らかく・ 水はけ良く・熱に強くするための化学処理が施されています。 この化学処理を「鞣し=なめし」といいます。
ヌメ革とは、一般的に「タンニン鞣し」である牛革を指します。 タンニン鞣しは、植物から抽出されるエキスを使用するもので、 工業薬品を使用する鞣し等に比べ環境に優しく自然な風合いを残しますが、 その工程は他のなめし方に比べ非常に時間がかかります。 伸縮性が小さく堅牢で、立体化する革製品に適しています。
本来は、タンニン鞣し後の「中間製品」の状態を「ヌメ」といいます。 弊店の「ヌメ革のウエスタンハット」の材料は、ここから更に1週間から 一ヶ月をかけて染色等の加工を施したものです。
カラーによって下染めや吹付仕上の方法が違いますが、 全てタンニン鞣し後の「ヌメ」の状態からの加工であるため、 広い意味で「ヌメ革」という表記を使用しております。 傷が付きやすいのも特徴ですが、そのすべてが革本来の 味とわいとなっていく過程もお愉しみいただければと思います。

